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退職に向けて「円満退社」という本を読みました

本書を手に取った動機は、円満退職するための何か良い方法が載っているのではないかという期待からでした。
円満退職に関する情報は、今後の人生を変える上で必要になるといった考えで読み進めていきましたが、期待していた事柄は一切ありませんでした・・・

本書では定年を迎える銀行員の最終出勤日を過す様子を面白おかしく描いています。たった1日を職場で過す内容ですが、まるでサラリーマン人生の日常を示すかのように、深刻なアクシデントと次々に遭遇し、主人公を当惑させ苦しめます。しかもそれらアクシデントは短期に解決できるような案件ではなく、問題は先送りにされ、会社の先行きに暗い影を落としていきます。そんな中で主人公は、人生の大半を捧げて会社に尽くしてきたのに、最後にあまりに酷な結末を迎えなければならない現実にショックを受けて、自分の人生を取り戻そうと立ち上がるのですが・・・

以上は全て作り話ですが、全く起こり得ないとは言い切れず、現実味があります。会社の経営状態が悪化し始めると、社員数や給与といった固定費の発生源にメスを入れます。結果、人員が減ることにより社員1人あたりの負担が増え、かつ給与は減るといったことが起こります。更に将来あてにしていた退職金も減額される可能性だって示唆されます。
それら不満のひとつ一つが積重なった結果、パワハラや横領といった不祥事に繋がるのではないでしょうか。
本書では、これら問題が面白く書かれおり、それこそ高みの見物ならワクワク感を持って楽しめるのですが、もし当事者だったらと思うと到底笑えません。思わず逃げ出したくなります。

主人公は銀行の支店長であり、世間からみれば「立派な勝ち組」です。
しかし、仕事はストレスがたまる一方で良好な職場環境ではありません。安定した立場ではあるものの、幸福感はあまり感じられず仕事を楽しんでいる雰囲気はありません。

このような面白くないサラリーマン人生ならば、途中でリタイヤして自分らしく生きた方が楽しい人生だったのではないかと思えてきます。
また、盤石だと認識していたものが情勢の変化によってあっけなく崩れ、そのような脆いものに人生を委ねてしまうことの危うさも示唆されているように感じます。

なぜ本書のタイトルが円満退社なのか

会社の命に従って自身の感情を押し殺し、サラリーマンとしてあまりに長い時間を犠牲にしてきたが、ようやく自分の人生を取り戻すことができ、会社の「駒」から真っ当な「人間」に戻れた実感を退職した瞬間に得られたからでしょうか。
私の感覚からは、この状況で、この辞め方は円満退社とはいえません。

 

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